001BIZEN マグカップの紹介

2021年03月10日 ニュース

RI-CO 001BIZEN マグカップ

備前粘土で「味わい変化を楽しめる」マグカップです。

POINT-1-【使うとき】
・再生無釉薬特有の飾らない素材感
・無釉薬なのに吸水性は低く、強度あり
・通常の陶器と同じお手入れで使用可能

POINT-2-【味変】
・雑味はまろやかに
   酸味はクリアでシャープに
・冷めても飲みやすい味わいに
・キレのある後口を実感できます

POINT-3-【エシカル】
・廃棄備前焼作品から生まれました
・陶片を30%以上使用
・使用済み品は回収再生に対応します


開発の経緯

RI-COマグカップは、備前焼の陶片から生まれ「伝統と持続可能」に対する想いが込められた商品です。


備前粘土とコーヒーの味わいの話

六古窯の備前焼は、完全無釉薬を守る産地です。産地特有の粘土を焼き締めという製法で焼き上げ、釉薬を一切使用しません。
備前焼には、古くから飲み物の味わいをまろやかにすると言われており、地元ではコーヒーの味わいがまろやかになることは常識として扱われていて、実際にコーヒー専門家の舌や、味覚センサーの実験では、雑味が消え、コーヒー本来のまろやかさや酸味を長時間楽しめることが分かっています。
とても面白い特徴ですが、備前焼は伝統製法の作家と窯元だけの産地で、産量も少なく国内でもこのことを知る人は多くありません。


理想のマグカップが道半ばだった理由

RI-COプロジェクトが始まる前、メンバーでは備前焼で飲むコーヒーを広めたいと考える中で、作家さんたちと一緒に、コーヒーに最適な備前焼マグカップの試作を繰り返し、作品の販売もしていました。
窯出しごとに好評であるものの、本格的な作家産地の備前焼は、すべてが完全な1点もの作品に仕上がる為、ある程度必要な数を揃えることや、製造過程で廃棄品を出してしまう問題を抱えていました。
価格や完成時期が決められない為、プレゼントにしたいというお客様の要望にも応えにくいという悩みがありました。


リサイクルという発想が切り開いた新しいマグカップ

陶片をリサイクルする。という発想が、理想のマグカップを成功に導きました。
研究や試作をする中で、陶片再生ドリッパー製造過程で出てしまう粉砕くずをマグカップに練り込んだのがきっかけでした。陶片は粘土より安定した性質と軽さ、備前焼のもつ多孔質構造を陶片くずの中にも維持していることがわかりました。
伝統工芸では、天然土のもつ不安定さと作家さんの経験こそが美しい作品を完成させますが、RI-COは、陶片のもつ性質を生かして、備前粘土の性能を生かした気軽な素材としてマグカップづくりを始めました。
陶片は、粘土のように焼き締まりにくい為、試作では水が漏れてしまうという壁に当たりましたが、あきらめず、備前焼粘土の中に含まれる鉄分の特徴などを勉強し、焼き方を工夫するなど、問題を1つずつ解決していくことができました。
RI-COは、完全な1点ものではないけれどクラフト感があり、素材の魅力を発揮できる質感を大切にしています。


RI-COマグのメッセージ

RI-COは、廃品から生まれ、廃品を出さないことと、もう一度再生することを大切にしています。製造過程でできる型枠のあとや、備前粘土に含まれる鉄分の吹き出しをそのままに焼き上げることで、美しく均一すぎるものの裏側で捨てるものが生まれるという事実への問いかけをしています。
一方で、私達は地域の伝統工芸備前焼が大好きです。RI-COという気軽な商品で備前のことを知ってもらうことで、本格的な備前焼の世界にも興味を持って欲しいと考えています。
一級の美しい伝統工芸を守るためにも、廃棄品の受け皿があることも必要ではないだろうか、一見相反するようですが、私たちはどちらも必要だという価値観を持っています。